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中国100万台強の新エネ車はどこで売られているか

中国100万台強の新エネ車はどこで売られているか

2020年中国の新エネ車小売台数は前年比9.8%増の110万9000台であった。新エネ車は7月から伸び始め、下半期から市場は強気な回復傾向を見せた。しかしこれらの新エネ車はどこのユーザーに買われたか。販売データをみてなるほどと思った。

中国の新エネ車需要は、①登録規制都市需要、②①以外の地域のオンライン配車需要と一般的な個人需要に分けられる。下記横棒グラフは都市別新エネ車販売ランキングを示している。上位6都市と海口はいずれも登録規制都市(オレンジ色)で、毎年一定の枠しかナンバープレートを発行しない。2020年に新型コロナの影響による販売低迷を対応するために、多くの都市は規制を緩和し、新エネ車限定で枠を拡大している。とくに上海などは新エネ車に枠を設定せず、多くのユーザーは新エネ車を購入した。

2020年新エネ車販売TOP20都市ランキング(万台)

登録規制の目的は交通渋滞の緩和である。新エネ車か否かは関係なく、自動車が増えすぎると登録規制が導入されるため、規制緩和の期間はまさに購入のチャンスだと消費者がわかっている。また、当初2020年で打ち切り予定の新エネ車補助金は当面は継続するも、補助額は2019年に対して2割下がり、2021年はさらに減額し、2022年に打ち切ると予想される。こういう意味で少なくとも現在の新エネ車販売の一部は駆け込み購入によるもので、需要の先食いにほかならない。

7都市の2020年新エネ車販売台数は45万台で、全体の4割を占めている。登録規制の解除はない限り、これらの都市の新エネ車市場は今後引き続き拡大していくことは見込まれない。むしろ今後規制が強化され、縮小する可能性さえある。

新エネ車のもう一つの需要先はオンライ配車である。登録規制都市以外の都市の多くも、タクシーを含むオンライン配車事業者の新規購入を新エネ車に限定している。これらのオンライン配車向けの新エネ車販売台数は不明であるが、20万台と推定する。登録規制都市需要と配車需要を除いて、残りは一般的な個人需要になる。ここから計算すると、新エネ車の個人需要は46万台程度しかなかった。

中国政府の目標は、2025年までに新エネ車の販売台数を全体の20%にする。多くの専門家は500-600万台と見積もっている。しかし、上記考察から簡単にシミュレーションしてみると、政府は強制的に新エネ車を買わせることをしない限り、毎年配車需要は10%ずつ、個人需要は20%ずつ伸びていっても、2025年まで新エネ車の販売台数は200万台を超えることが難しい。どのように500-600万台の販売台数を達成するかは私にはわからない。

簡単なシミュレーション

注:2020年は実績、2021年からはシミュレーション

廖 静南
(国立)広島大学博士学位を取得。某自動車シンクタンクに勤務、自動車産業研究、マーケティングリサーチ、需要予測などに携わっています。近年、ビッグデータ、情報処理やウェブビジネスなど、幅広い分野でやっています。                                                      

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