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2021年1月、中国の新エネ車販売台数が世界の56%を占める

2021年1月、中国の新エネ車販売台数が世界の56%を占める

2020年、世界の新エネルギー乗用車の販売台数は前年比17%増の517万台、このうち、純電気自動車、ハイブリッド、燃料電池を含む狭義の新エネルギー車の世界販売台数は同比35%増の287万台に達した。過去を振り返ってみると、世界の新エネルギー車市場は拡大しつづけるも、成長率は2016年から減速傾向に転じ、2020年にようやく底打ちして反発し始めた。

図表1.世界の新エネルギー乗用車市場の推移

図表2.世界の新エネルギー乗用車市場伸び率

2020年の新エネルギー車の伸びが反発した理由は、温室効果ガス排出に対する法規制の影響のほか、コロナ禍の影響を受け、欧米の新エネルギー政策による市場への支援は強化されたこと、およびテスラに加えて多くのメーカーの供給増による貢献である。

一方中国新エネルギー乗用車市場(卸売ベース)は2018年から減速し、2020年に補助金後退やコロナ禍の影響を受け、世界の新エネルギー車市場に占める中国のシェアは2019年の51%から41%に低下し、欧州に追い抜かれた。

ただし、2020年後半から中国の新エネルギー車市場は徐々に回復し、7-12月期でようやく対前年比プラスになった。増分は主に市場の自律的な力によるものと考えられる。

2021年1月の世界の新エネルギー乗用車販売台数は31万台で、2020年同期比で倍以上増加した。うち、中国の新エネルギー乗用車は(旧正月前の季節要因もあり)17.5万台と大幅に増加し、世界に占めるシェアは56%と再び高水準に回帰した。

図表3.新エネルギー乗用車地域別国別シェアの変化

 

パワートレイン別で見ると、2020年現在、世界の新エネルギー乗用車に占めるEVのシェアは69%、プラグインハイブリッドは32%である。ここ数年EVのシェアは上昇してきているが、2020年にはプラグインハイブリッドのシェアはやや拡大している。

図表4.新エネルギー乗用車パワートレイン別クラス別シェアの変化

 

2021年1月に入って、世界の新エネルギー乗用車に占めるEVのシェア72%と急拡大し、PHEVの割合は28%縮小している。2021年1月のEVのシェア拡大の背景は、主にA00クラスとBクラスEVの増加、即ち中国メーカーの上汽GM五菱の小型EVとテスラ中国のModel 3&Yの販売増による。

図表5.メーク別新エネルギー乗用車のシェア

崔東樹
1991年に自動車エンジンメーカーに入社し、2002年に自動車販売に携わり始めた。2009年に中国自動車流通協会マーケティング研究分科会副主任兼幹事長に任命され、2012年に中国全国乗用車市場情報連合会(乗連会)幹事長に選出された。主に政策研究と市場研究に専念して、乗連会総合データベースを立ち上げて、メーカーと業界にタイムリーでデータシステムと情報サービスを提供している。                                                                 

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